米・サウジ原子力協定、イスラエル国家の承認が条件とトランプ氏

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ロバート・グリーノール記者
アメリカのドナルド・トランプ大統領は23日、前日に署名した米・サウジアラビアの民生用の原子力協力協定について、サウジアラビアがイスラエル国家を承認するかどうかにかかっていると述べた。
トランプ大統領は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「非軍事利用のみの民生用原子力協定(核物質の濃縮は行われない!)は承認されるだろうが、それはすべて、サウジアラビアが、非常に尊敬され成功を収めているアブラハム合意に参加することにかかっている」と書いた。
この条件が、まだ公表されていない原子力協定の本文に明記されているのか、また、サウジアラビアがその条件に同意したのかは、すぐには明らかになっていない。
サウジアラビアは現時点で、トランプ氏の発言に対して反応を示していない。
ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官は23日、トランプ大統領がサウジアラビアの指導者たちとこの状況についてこれまで何度も話し合ってきたと述べた。
「もし彼らがアブラハム合意に参加しなければ、この取引は破棄されると大統領は言っている」とレヴィット氏は述べた。「なので今後も、サウジアラビア側との協議を続けていく」。
22日に発表されたばかりの米・サウジの協定をめぐってはすでに、不安定な中東地域において将来の核拡散のリスクを高める可能性があると、専門家らから批判がでている。
米議会の共和党と民主党の一部議員も同様の懸念を表明したが、トランプ氏率いる共和党は上下両院を支配しており、この協定に反対する議員は、承認の阻止に必要な票数を確保できていないようだ。
米エネルギー省によると、この協定には「平和的原子力協力協定」と「2国間保障措置協定」が含まれている。
同省は声明で、「この二つの協定は、核不拡散を含むいくつかの優先的な経済的・戦略的目標を前進させる、数十年におよぶ数十億ドル規模のパートナーシップの法的基盤を築くものだ」と説明した。
サウジアラビアとの合意内容は今後、米議会で審議される。
国際原子力機関(IAEA)は23日、両国が「2国間民生原子力協力協定」を計画しており、これに関連してIAEAに検証措置の実施を要請する予定だと認識していると発表した。
「我々は、そのような検証の要請を受けることを待ち望んでいる。アメリカおよびサウジアラビア王国と協力し、これらの措置の実施を確実に進めていきたいと考えている」
アブラハム合意に加わるのか
アラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンは2020年、大統領1期目のトランプ氏の仲介で歴史的なアブラハム合意に署名。イスラエルとアラブ諸国との関係が数十年ぶりに正常化された。
その後、スーダン、モロッコ、カザフスタンも同様に署名した。
サウジアラビアは以前、パレスチナ国家の樹立なしには同合意に参加しないとしていたが、ホワイトハウスは今回、サウジアラビアが合意に参加しなければこの取引は破談になると述べたかっこうだ。
イスラエルはトランプ氏の発言を歓迎した。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相の事務所はXに、サウジアラビアがアブラハム合意に加わることは「中東の平和にとって歴史的な飛躍となるだろう」と投稿した。
声明は、原子力協定については言及しなかった。しかしイスラエルのニル・バルカット経済相は以前、サウジアラビアが平和目的で原子力を保有するのであれば、イスラエルは「対応できる」と述べている。
一方、イスラエルの元国防相アヴィグドール・リーベルマン氏はメディアに対し、「すべての軍事核開発計画は、民生用核開発計画から始まる」と懸念を示した。
イスラエル自体が核兵器を保有していると広く信じられているが、イスラエルはこれを肯定も否定もしていない。
米エネルギー省は、この米・サウジ間の合意を「平和的な原子力協力協定」と位置づけ、「サウジアラビアの原子力エネルギー計画において、米企業に大きな参入機会をもたらす」ものだとしている。
核問題は、数カ月にわたる米・イスラエルとイランとの対立の中心となってきた。イラン政府はこれまで一貫して、核兵器開発の意図を否定している。

サウジアラビアの事実上の支配者ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は2018年、米CBSニュースに対し、サウジアラビアは核兵器を手に入れたいわけではないとしながらも、「もしイランが核爆弾を開発すれば、我々もできるだけ早く同じようにするというのは、疑いようがない」と述べた。
以前の米メディアの報道では、この合意でサウジアラビアがウランを濃縮できるようになる可能性があり、発電用燃料だけなく、核兵器開発も可能にする恐れがあるとの懸念が出ている。しかし、トランプ大統領の発言はこれを否定しているようだ。
アメリカのシンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」の中東プログラム責任者、ローズマリー・ケラニック氏は、アメリカがサウジアラビアにウラン濃縮施設の保有を認める内容が合意に含まれているとしたら、「かなり衝撃的」だと述べた。
「アメリカがそのようなことをしたことは一度もない。他国が自国領内でウラン濃縮を行うことを支援したことは一度もない」とケラニック氏は述べ、その理由について、「自国で核燃料を製造できるようになれば」核兵器製造の面で「格段に大きなリスクになる」からだと説明した。















